坪内美樹

「世の中で何かが生まれる」「一人ひとりが個性のままに輝きはじめる」その第一歩は誰かに“想いを伝える”という瞬間にあるのだと思います。

私が講師、司会、ファシリテーターという役割を担う時、主催する方が参加されるみなさんに「何を伝えたいのか」「どんな想いを分かち合いたいのか」ということを第一に考えます。

参加された方々がその想いを持ち帰れるように、そしてどんなハプニングがあろうと笑顔でハッピーな時間を過ごせるような「場」を創りあげることが私の講師、司会、ファシリテーターの仕事です。

私の仕事でもう一つ大事なことは、“大切なことを自分の言葉で伝えたい”という想いを持った方に寄り添うことです。“話すのは得意”と胸を張る方にはあまり出会ったことはありません。「声が大きい」「話が上手」なことと“伝わる”ことはまったく違います。

人それぞれ、性格や醸し出す雰囲気も違えば、声にも個性があります。想いは、その人らしい伝え方をすることで初めて、伝わるに変わる。そんな瞬間をたくさん見てきました。

一人ひとりにふさわしい話し方、伝え方のセッションは、おかげさまで、企業の社長から中学生まで、多くの方々から機会をいただいています。そしてこの仕事を私の天職だと思える理由は、誰よりも私自身が“人前で話すなんて考えただけで逃げ出したくなる”と思っていた一人だったからです。話すことが苦手、人前で話せない、という方の気持ちに共感しながら、苦手を変えていくのが今の私のスピーチセッションという仕事です。

伝えるという表現に正解はありませんが、その人にとってのベストな答えはあります。想いが伝わり始めると、未来が拓け、人生が楽しくなります。そして、そんな場所に立ち会えることをいつも本当に幸せに感じています。